漆喰とは?建築専門家が見る漆喰のメリットとデメリット

漆喰と聞いてすぐに思い浮かぶ方は少ないかもしれませんが、長野県にある国宝「松本城」の外壁には漆喰が施され、法隆寺や姫路城、松山城といった名城の多くには漆喰が施されており見ることができます。

また、海外でも漆喰を使った建物は多く存在しており、イタリアやスペインなどのヨーロッパの地域にも漆喰を使用した建物があり、日本の漆喰と比べると色合いや質感は異なりますが、漆喰は世界共通の建築素材として今も愛され続けています。

漆喰とは??

日本の伝統的な建築材料の一つである「漆喰」。

漆喰は消石灰を主原料としたものに糊やスサを加えたものを指します。
日本建築や古民家などで多く見られる壁や天井の漆喰は、古く昔から伝わる日本の伝統文化であり、建築の「美」を反映したものとして人気を博していました。

時代とともに建築材料として使われることが減ってきた漆喰ですが、自然素材であることから近年は見直されてきています。

*寺西建築での施工実績はこちらをご覧ください。

漆喰のメリット

漆喰は、現代のような建築技術が存在しなかった古く昔に生まれた建築材料ですが、その優れた特性から今でも広く使われています。

建築家からみる漆喰のメリットは以下であると考えます。

1.健康と環境に優しい

漆喰の材料は天然由来であり、有害な化学物質を含みません。

そのため快適な住居環境を維持し、リサイクルも可能な素材のため、廃棄物など環境への負荷も最小限に抑えることができます。

2.湿度の調整

漆喰は湿気を吸収し放出するという性質を持っているため、湿の調整が可能で室内の乾燥や湿気を防ぐことができます。
日本における冬の乾燥した空気や夏の高い湿気において、漆喰は非常に効果的な建築素材です。

3.防火性・耐久性

漆喰は高い防火性を持っており、火災発生時には漆喰が火を遮断し拡大を防ぐ役割を担っています。

また耐久性にも優れていて、年数が経過してもひび割れが生じにくく、漆喰特有の美しさを保つことができます。
汚れや傷も修復しやすいため、お手入れも比較的簡単に済みます。

漆喰のデメリット

メリットの多い漆喰ですが、デメリットがないわけではありません。

漆喰におけるデメリットは以下と考えます。

1.乾燥に時間がかかる

漆喰はどうしても乾燥させる時間が必要です。

特に厚く塗る必要があるような壁などは完全に乾かすまでに数週間、長くて数ヶ月かかることもあります。

2.ひび割れ

耐久性に優れた漆喰ですが、長期での使用や地震などにより割れやひび割れが生じる可能性があります。
もちろんこれらは漆喰に限らずですが、ひび割れなどが生じた場合の修理は専門的な知識が必要です。

3.メンテナンス

比較的メンテナンスが簡単なのが漆喰の特徴ではあるものの、光沢のある美しい白さを保つには定期的なお手入れが必要です。
真っ白なあまり色褪せや汚れが目立ちやすいため、お手入れが不足してしまうと、塗り替えが必要になるケースもあります。

4.柔らかさ

消石灰からなる漆喰は、建築素材の中でも柔らかい材料のひとつ。

そのため、漆喰の壁などに強い衝撃が加わると傷がついてしまうことがあります。

上記のデメリットは一般的な部分ではありますが、それらデメリットを減らすために熟練の職人が手間暇をかけて作業をすることで
居心地の良い住まいづくりをしています。

漆喰のメンテナンスについて

漆喰の美しさと耐久性を維持するために、お手入れをすることはとても重要です。

適切な方法でお手入れを行うことで、美しさを保ち長く楽しむことができます。

1.定期的な掃除

汚れやほこりから漆喰を守るために、定期的な掃除を行いましょう。

柔らかいブラシ、乾いた布を使って優しく汚れを落とします。
強い力を入れたり洗剤を使うと漆喰の質感や美しさが失われてしまうので使用は避けてください。

2.頑固な汚れがついてしまったら

長年生活していれば頑固な汚れやシミがついてしまうこともあります。

その場合は、中性洗剤を薄めた水で軽くふき取ると汚れが落ちます。
本来は洗剤の使用は適していないため、洗剤を使った後は洗剤が残らないようしっかり水ぶきを行ってください。

3.ひび割れの修復や塗り直し

漆喰は比較的取り扱いやすい材料の一つですが、漆喰の特徴を理解して美しく整えるには技術と知識が必要です。
自身で漆喰を施し、うまくいかず依頼されるケースもありますので、専門家に依頼することを推奨しています。

4.湿気対策

湿気を吸収する性質のある漆喰ですので、あまりにも高い湿度下においてはやや注意が必要です。
湿度が高い時期は、十分な換気やエアコンなどを使用して漆喰が高温多湿にならないようにしましょう。

5.点検

漆喰のお手入れのひとつとしてぜひ、定期点検を行って頂きたいと思います。

特に外壁などに漆喰を施工している場合、気候条件による汚れから劣化の影響を受けやすいため、定期的に点検することで問題を早期に発見することができます。

建築家として考える漆喰

漆喰の質感や色合いは自然で、とても温かみがあります。

日本の漆喰の多くは光沢のある美しい白色を帯びていますが、同じ漆喰でも海外のものは色味があったりとそれぞれ違った美しさがあります。

日本の漆喰も海外の漆喰も、西陽が差し込んだ時の光と影のコントラストやライトアップした時の美しさは、本当に素晴らしいものがあります。

現在は建築技術の向上から漆喰に変わる材料が使われることも多くなってきていますが、漆喰のような質感や独特な色合いを持つものは他にありません。

世界共通の建築素材として古くから伝わる漆喰がなぜ今もなお愛され続けているのか。

実際に漆喰を見て触れて、その理由を知っていただければ建築家としてこれほど幸せなことはありません。

寺西建築では厳選した2社の漆喰を使っています。

*高知石灰工業 ー土佐 自然派しっくい白亜

*プラネットジャパン ーフェザーフィール、カルクフィール